現場情報・お知らせ

月別アーカイブ: 2025年11月

溝端のよもやま話~🎨 壁装・塗装~

皆さんこんにちは!
有限会社溝端、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~🎨 壁装・塗装~

 

 

壁は視界面積が最大。
色・質感・陰影で空間の第一印象が決まります。
ここでは、クロス(量産・意匠・不織布・自然素材)と塗装(エマルション・ウレタン・エポキシなど)を、選定→下地→施工→検査まで整理します。📸


① クロスの選定 🧻

  • 量産(普及):コスパ◎。住宅・賃貸・バックヤードなど、メンテ性重視に。

  • 1000番台・意匠クロス:質感・陰影が豊か。継ぎ目が目立ちにくいエンボスが人気。柄物はリピート合わせが命。

  • 不織布(フリース):寸法安定・剥がしやすい。再施工前提の店舗で有効。

  • 自然素材(紙・布):光の表情が唯一無二。湿度管理と下地レベルが重要。


② 下地と接着 ✍️

  • パテレベル:第8回参照。斜光面はL5を原則。

  • :デンプン+合成樹脂系。オープンタイム3–10分を厳守。
    剥がれやすい箇所は増し糊で補強。

  • 入隅・出隅処理:コーナービード or 紙テープで通りを確保。
    継ぎ目は目線外へ逃がす。


③ 塗装の選定と運用 🧪

  • 水性エマルション:内装の主役。低臭・低VOC。

  • ウレタン塗料:耐久・耐薬品性◎。カウンターや腰壁に最適。

  • エポキシ塗料:耐薬品・防塵性◎。倉庫・厨房壁などに。

  • 艶の選び方

    • 艶消し=上質だが汚れやすい

    • 半艶/艶有り=清掃性・耐久性◎
      ハイブリッド仕上げが現実的。

  • 塗り工程
    下塗(シーラー/フィラー)→中塗→上塗。
    素地吸い込みが強い面は下塗追加


④ “写真に強い壁”の条件 📷

  • 照明角度:ウォールウォッシャーの入射角で凹凸が変化。
    → 「見せる/隠す」を設計段階で決定。

  • 色温度の相性

    • 2700〜3000K:肌色が映える

    • 4000K:清潔感アップ
      → 色ズレは実機サンプルで確認

  • 継ぎ目:腰見切り・縦ラインで意匠化すると安定した印象に。


⑤ 欠陥と是正 🧯

  • 目開き:乾燥収縮 → 増し糊+圧着。

  • シミ・ヤニ:シミ止め下塗でブロック。

  • ピンホール・肌荒れ:粘度・希釈ミス。
    → 番手を変えたローラーで是正。
    吹付はオレンジピールに注意。


⑥ 検査・品質基準 🔎

  • 視感検査距離:1.5mで自然光・人工光の両方確認。

  • 見切り確認:巾木・廻り縁・枠との通り、隙間ゼロを目標。

  • 糊・汚れ残り:写真で残らないよう、拭き取り徹底。


✅ チェックリスト

☐ 斜光面の仕上げレベル設定(L5)
☐ リピート柄の割付図・貼り順確認
☐ シミ止め・下塗の仕様確定
☐ 光源の角度・色温度の実機確認


🌈 まとめ

壁は“面の芸術”。
下地レベル × 照明 × 見切りを整えれば、
同じ材料でも写真映え・耐久性が劇的に変わります。✨


【完全版追補】壁装・塗装の標準施工書 🎨📘


A. クロス施工の“失敗ゼロ”手順

1️⃣ 下地確認:L3/L4/L5を部屋別に指定。斜光面を事前確認。
2️⃣ パテ3工程
 一次(テープ+#120)→二次(全面+#180)→三次(#240〜320)。
 → 吸い込み止め塗布必須。
3️⃣ 糊とオープンタイム:温湿度に合わせ3–10分。
 → ジョイントはダブルカットで目開き防止。
4️⃣ 入隅・出隅処理:コーナービード or 紙テープ折りで通り確保。
5️⃣ リピート柄:基準線から貼り始め、腰見切りで逃がす。


B. 塗装の仕様設計

  • 艶選定
    艶消し=上質だが汚れやすい
    半艶=清掃性◎
    艶有り=耐久◎
    → 腰見切り・防汚塗料の併用で最適化。

  • 下塗り:シーラー/フィラーで吸い込み均一化。
    鉄部には防錆下塗必須。

  • 色設計:LRV(明度反射率)を意識。
    → 写真背景にはLRV60–80が扱いやすい。


C. 環境条件とVOC/臭気管理

  • 施工環境:10〜30℃・40〜65%RHを維持。

  • 換気でVOCを低減。

  • 引渡し前48〜72hの臭気抜きを工程に組み込む。


D. 検査・光学・写真管理

  • ウォールウォッシャーによる斜光検査を実施。

  • 1.5m視感+接写の写真台帳化

  • 継ぎ目は目線外に配置。

  • 目立つ面は縦ライン/腰見切りで意匠化。


E. 欠陥→是正の標準対応

不具合 原因 是正方法
目開き/突き上げ 温湿度変化・糊不良 増し糊+圧着+ローラー処理
ヤニ・シミ ブリード シミ止め下塗+再塗装
ピンホール・肌荒れ 粘度・希釈ミス 粘度調整・番手変更(ローラー)
吹付のオレンジピール 粒径・圧力過大 吹付距離・希釈率見直し

F. メンテナンス・再施工

  • 汚れ:中性洗剤+柔らかい布で拭取。

  • 艶消し塗装:部分補修→全体ぼかし塗り。

  • クロス:部分張替え前提で予備ロールを確保


G. チェックリスト(現場台帳項目)

  • L3/L4/L5・艶・LRVの部屋別表

  • 糊のオープンタイム・温湿度記録

  • 斜光検査・1.5m視感の写真保存

  • 予備ロール・色番・ロット管理

 

 


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溝端のよもやま話~🧭 床仕上げ~

皆さんこんにちは!
有限会社溝端、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~🧭 床仕上げ~

 

床は、視覚より先に「足裏が感じる仕上げ」。
滑り・硬さ・反発・温冷・吸音・清掃性・メンテコスト——
これらの“歩行体験”が空間の印象を大きく左右します。
ここでは、代表的な床材(フローリング/タイル/長尺シート/カーペット)を、下地・接着・納まり・運用まで含めて徹底解説します。🧰


① 共通の現場原則(床材に関わらず)

  • 含水率管理:下地モルタルの過乾燥・過湿は接着不良の原因。
    → 簡易含水計+ビニール養生による結露試験で確認。

  • 不陸補修:3mライナーで±3mm以内を目安。
    → セルフレベリング材(SL)は乾燥時間厳守。

  • 段差管理:出入口や各室間の見切りは最大段差を明記。
    (例:バリアフリーは2mm以内など用途基準に準拠)

  • エキスパンション:広面積は伸縮目地を計画。
    → 温湿度や床暖の有無でピッチを調整。


② フローリング(無垢/挽板/突板)🌲

  • 選定
    無垢=調湿・経年美/反りリスクあり。
    挽板=寸法安定性◎。
    突板=コストと意匠のバランス。

  • 施工:捨て張り合板t=12以上 → フロア釘+接着。
    床暖房は低含水の挽板が推奨。

  • 仕上げ
    ウレタン塗装=清掃性重視。
    オイル仕上げ=質感重視。
    → ワックス運用はマニュアル化。

  • 納まり:壁際にクリアランス8〜10mm確保(巾木で隠す)。
    水掛かり箇所は框・役物で止水。

  • メンテ:凹み=スチーム+アイロンで回復。
    サンド&リコート前提で寿命設計。


③ 磁器タイル・石材 🧱

  • 選定:摩耗度・吸水率・防滑値(D滑り)を確認。
    外部=ノンスリップ面/厨房=油対応品。

  • 下地:合板増し張り or セメント下地。
    → たわみ抑制のため壁際は二重スタッド推奨。

  • 割付:中心割り基本。端詰め幅50mm以上を目安。
    伸縮目地ピッチ=8〜10m。

  • 接着:弾性接着 or セメント系+バックバター。

  • 納まり:段鼻・役物・金物見切り(T・L)。
    → 見切りラインは“設計の記号”。


④ 長尺シート(ノンワックス推奨)🧻

  • 用途:医療・教育・バックヤード・厨房など。
    耐薬品性・耐水性・清掃性に優れる。

  • 下地:パテで平滑度を徹底。
    端部=溶接棒でシーム処理/立上げ巾木で水密確保。

  • 注意点
    太陽熱・床暖で寸法変化あり。
    → 貼付後ローラー圧着(30–50kg)+養生時間厳守。


⑤ カーペット(タイル/ロール)🧵

  • 選定
    タイル=メンテ性◎。
    ロール=意匠性◎。
    歩行量の多い動線には耐久タイプを。

  • 吸音:空気層+厚みで残響を抑制(オフィスに最適)。

  • 施工
    グリッパー工法(ロール)/PSA・接着工法(タイル)。
    → 目地通り統一・基準線厳守。


⑥ 床暖房・防滑・衛生 🧯

  • 床暖:表面温度・熱伝導率に注意。
    フローリング=対応品/タイル=断熱層併用。

  • 防滑:酔客導線・濡れ床はRマーク・D値確認。
    清掃で滑り値が変化する点も要考慮。

  • 衛生:厨房・医療では立上げ+シールで止水。
    排水勾配を設計段階でセット。


⑦ ケーススタディ:路面ベーカリー(35㎡)🥐

  • 客動線:焼き台前=タイル、その他=LVT。
    粉・油汚れ対策に強い構成。

  • バックヤード:長尺シート立上げ+巾木溶接。

  • 見切り:カウンター前=真鍮T見切りで“写真に写るライン”を演出。


✅ チェックリスト

☐ 不陸±3mm以内・含水・乾燥確認
☐ 伸縮目地・見切りライン位置の明記
☐ 床暖対応・防滑値・清掃手順を記載
☐ 出入口段差と役物納まりの事前確定


📐 床仕上げ・実務大全(プロ向け)

A. 下地含水・平滑度の検証プロトコル

  • 含水テスト:ポリシート300×300mmを密着貼り16–24h → 結露有無を確認。
    含水計とのダブルチェック。

  • 平滑度:3mライナーで±3mm以内(タイルは±2mm)。
    SL層厚3–30mm、乾燥=1mm/日。

  • 段差:バリアフリー=2mm以内。見切り金物で昇降緩和。


B. 接着剤・下地処理の選定

  • アクリル系(LVT/カーペット):再剥離性◎/初期接着◯

  • ウレタン・エポキシ(タイル/石):重歩行・厨房◎
    → プライマー必須。

  • 圧着ローラー:30–50kgで全域圧着。オープンタイム厳守。


C. 大判タイルのリッページ対策

  • 十字レベルスペーサー+吸盤で面を合わせる。
    → 1mあたり1mm以内・隣接差≤2mm。

  • 伸縮目地:8–10mピッチ/開口・L字折れ点で設置。


D. 防滑・衛生・床暖の実務

  • 防滑:濡れ床=動摩擦係数 μd≥0.42。

  • 衛生:立上げ150mm+シーム溶接。排水勾配1/100–1/50。

  • 床暖:LVT/挽板=対応品。クリアランス8–10mm。
    タイル=断熱層+熱伝導設計。


E. 音環境・下階対策

  • 衝撃音=ΔLL/IICを目安。アンダーレイ3–6mm使用。

  • 端部の気密性が効果を左右。

  • オフィスではカーペットで残響抑制も同時実現。


F. メンテナンス計画テンプレ

  • 日次:ドライモップ→必要部のみ湿拭き

  • 週次:中性洗剤洗浄+目地洗い

  • 月次/半期:床材別に洗浄・補修・再コート

  • 事故対応:油・酸・溶剤対応表を現場掲示


G. 施工写真の“押さえ”リスト

📸 含水テスト/SL施工前後の水平器写真/見切り金物ライン/役物(段鼻・巾木)の接写


H. チェックリスト(再掲)

  • 含水・平滑・段差の数値記録

  • 接着剤とプライマーの適合

  • 防滑・勾配・シーム処理の現地確認

  • 伸縮目地・見切り位置の割付図


✨ まとめ

床は“毎日触れるインターフェース”。
下地・割付・見切り・清掃運用までを一体で設計することで、
長く美しく、そして“強い”空間をつくることができます。🧹🏗️

 


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