現場情報・お知らせ

溝端のよもやま話~🧭 床仕上げ~

皆さんこんにちは!
有限会社溝端、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~🧭 床仕上げ~

 

床は、視覚より先に「足裏が感じる仕上げ」。
滑り・硬さ・反発・温冷・吸音・清掃性・メンテコスト——
これらの“歩行体験”が空間の印象を大きく左右します。
ここでは、代表的な床材(フローリング/タイル/長尺シート/カーペット)を、下地・接着・納まり・運用まで含めて徹底解説します。🧰


① 共通の現場原則(床材に関わらず)

  • 含水率管理:下地モルタルの過乾燥・過湿は接着不良の原因。
    → 簡易含水計+ビニール養生による結露試験で確認。

  • 不陸補修:3mライナーで±3mm以内を目安。
    → セルフレベリング材(SL)は乾燥時間厳守。

  • 段差管理:出入口や各室間の見切りは最大段差を明記。
    (例:バリアフリーは2mm以内など用途基準に準拠)

  • エキスパンション:広面積は伸縮目地を計画。
    → 温湿度や床暖の有無でピッチを調整。


② フローリング(無垢/挽板/突板)🌲

  • 選定
    無垢=調湿・経年美/反りリスクあり。
    挽板=寸法安定性◎。
    突板=コストと意匠のバランス。

  • 施工:捨て張り合板t=12以上 → フロア釘+接着。
    床暖房は低含水の挽板が推奨。

  • 仕上げ
    ウレタン塗装=清掃性重視。
    オイル仕上げ=質感重視。
    → ワックス運用はマニュアル化。

  • 納まり:壁際にクリアランス8〜10mm確保(巾木で隠す)。
    水掛かり箇所は框・役物で止水。

  • メンテ:凹み=スチーム+アイロンで回復。
    サンド&リコート前提で寿命設計。


③ 磁器タイル・石材 🧱

  • 選定:摩耗度・吸水率・防滑値(D滑り)を確認。
    外部=ノンスリップ面/厨房=油対応品。

  • 下地:合板増し張り or セメント下地。
    → たわみ抑制のため壁際は二重スタッド推奨。

  • 割付:中心割り基本。端詰め幅50mm以上を目安。
    伸縮目地ピッチ=8〜10m。

  • 接着:弾性接着 or セメント系+バックバター。

  • 納まり:段鼻・役物・金物見切り(T・L)。
    → 見切りラインは“設計の記号”。


④ 長尺シート(ノンワックス推奨)🧻

  • 用途:医療・教育・バックヤード・厨房など。
    耐薬品性・耐水性・清掃性に優れる。

  • 下地:パテで平滑度を徹底。
    端部=溶接棒でシーム処理/立上げ巾木で水密確保。

  • 注意点
    太陽熱・床暖で寸法変化あり。
    → 貼付後ローラー圧着(30–50kg)+養生時間厳守。


⑤ カーペット(タイル/ロール)🧵

  • 選定
    タイル=メンテ性◎。
    ロール=意匠性◎。
    歩行量の多い動線には耐久タイプを。

  • 吸音:空気層+厚みで残響を抑制(オフィスに最適)。

  • 施工
    グリッパー工法(ロール)/PSA・接着工法(タイル)。
    → 目地通り統一・基準線厳守。


⑥ 床暖房・防滑・衛生 🧯

  • 床暖:表面温度・熱伝導率に注意。
    フローリング=対応品/タイル=断熱層併用。

  • 防滑:酔客導線・濡れ床はRマーク・D値確認。
    清掃で滑り値が変化する点も要考慮。

  • 衛生:厨房・医療では立上げ+シールで止水。
    排水勾配を設計段階でセット。


⑦ ケーススタディ:路面ベーカリー(35㎡)🥐

  • 客動線:焼き台前=タイル、その他=LVT。
    粉・油汚れ対策に強い構成。

  • バックヤード:長尺シート立上げ+巾木溶接。

  • 見切り:カウンター前=真鍮T見切りで“写真に写るライン”を演出。


✅ チェックリスト

☐ 不陸±3mm以内・含水・乾燥確認
☐ 伸縮目地・見切りライン位置の明記
☐ 床暖対応・防滑値・清掃手順を記載
☐ 出入口段差と役物納まりの事前確定


📐 床仕上げ・実務大全(プロ向け)

A. 下地含水・平滑度の検証プロトコル

  • 含水テスト:ポリシート300×300mmを密着貼り16–24h → 結露有無を確認。
    含水計とのダブルチェック。

  • 平滑度:3mライナーで±3mm以内(タイルは±2mm)。
    SL層厚3–30mm、乾燥=1mm/日。

  • 段差:バリアフリー=2mm以内。見切り金物で昇降緩和。


B. 接着剤・下地処理の選定

  • アクリル系(LVT/カーペット):再剥離性◎/初期接着◯

  • ウレタン・エポキシ(タイル/石):重歩行・厨房◎
    → プライマー必須。

  • 圧着ローラー:30–50kgで全域圧着。オープンタイム厳守。


C. 大判タイルのリッページ対策

  • 十字レベルスペーサー+吸盤で面を合わせる。
    → 1mあたり1mm以内・隣接差≤2mm。

  • 伸縮目地:8–10mピッチ/開口・L字折れ点で設置。


D. 防滑・衛生・床暖の実務

  • 防滑:濡れ床=動摩擦係数 μd≥0.42。

  • 衛生:立上げ150mm+シーム溶接。排水勾配1/100–1/50。

  • 床暖:LVT/挽板=対応品。クリアランス8–10mm。
    タイル=断熱層+熱伝導設計。


E. 音環境・下階対策

  • 衝撃音=ΔLL/IICを目安。アンダーレイ3–6mm使用。

  • 端部の気密性が効果を左右。

  • オフィスではカーペットで残響抑制も同時実現。


F. メンテナンス計画テンプレ

  • 日次:ドライモップ→必要部のみ湿拭き

  • 週次:中性洗剤洗浄+目地洗い

  • 月次/半期:床材別に洗浄・補修・再コート

  • 事故対応:油・酸・溶剤対応表を現場掲示


G. 施工写真の“押さえ”リスト

📸 含水テスト/SL施工前後の水平器写真/見切り金物ライン/役物(段鼻・巾木)の接写


H. チェックリスト(再掲)

  • 含水・平滑・段差の数値記録

  • 接着剤とプライマーの適合

  • 防滑・勾配・シーム処理の現地確認

  • 伸縮目地・見切り位置の割付図


✨ まとめ

床は“毎日触れるインターフェース”。
下地・割付・見切り・清掃運用までを一体で設計することで、
長く美しく、そして“強い”空間をつくることができます。🧹🏗️

 


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